以前のコンクールで悔しい思いをした小3の生徒さん。
本番では思うような結果にはならずに悔し涙を
流しました。
お母さまから、
「あの夜は怒ったり泣いたりして朝も泣いていましたね」
と伺いました。
その話を聞いて、お母さまと生徒さんのことが
とても心配になりました。
どうか早く、悔しさや悲しみから
解放されますように——
そんな思いでいました。
次のレッスンの日。
彼女はあっけらかんとした笑顔で
こう言ったのです。
「先生、今度はブルグミュラー
コンクールを受けるね!」
その一言に、びっくり!
私は思わず笑ってしまいました。
涙を流した夜を乗り越えた後の
その明るさ。
それは“心の成長”が見えた瞬間でした。
それから彼女は、基礎練習からやり直しました。
ハノン、指の形、手首の使い方、音色の出し方
小さな積み重ねを大切にしながら、
一歩ずつ音を磨いていきました。
そして迎えたブルグミュラーコンクール本番。
見事、予選を突破してファイナル出場決定!
ステージでの演奏は、以前よりもずっと美しく、
柔らかくて芯のある音色に変わっていました。
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あの涙の夜を経験したからこそ、
努力することの意味を知り、
自分を信じる力を育てたのだと思います。
努力の先にあったのは、結果だけではなく——
“心の成長”という何より大きな宝物。
その瞬間を感じられたことを、
心からうれしく思います。
彼女の美しい音色と、努力の軌跡をぜひお聴きください。